ドキドキする週末に支えになる本は・・・

こんにちは、
浜松駅前予備校(ハマヨビ)の平井です。

メールサーバートラブルによる、
公式メールが送受信できない問題、
大変ご迷惑をおかけいたしました。

現在は復旧し、
近日中にホームページもリニューアル予定です。

お楽しみに!

さて・・・

気づけば11月も中旬にさしかかり、
今年度の生徒たちの入試本番も着々と。

今年のハマヨビにも、
吉報が入り始めました。

コロナ禍での入試は、
入試の日に元気に行く!

というだけでも
なかなかのハードルです。

がんばってきたことが
十分に発揮できる入試にしたいですね。

生徒たちが入試本番を迎え、
私はメールトラブルなどで
ハラハラする週末に心の支えになったのは
やはり本でした。

えらいものを読んでしまいました。

山本文緒 著
『無人島のふたり』
120日以上生きなくちゃ日記

仕事が全然片付いていないのに、
メイワン10%割引の特別な日に
本屋さんに行かないわけにはいかない。

買おうかどうしようか
迷ってる本は
この機に全部買ってしまおう!

ささやかな大人買いをした、
その中の1冊です。

以前、このブログでも
『自転しながら公転する』のことを
書いたことがありまして・・・


次の作品が楽しみだなー!
と思ってしばらくたったころに、
亡くなったという新聞記事を見てびっくり。

『無人島のふたり』は、
すい臓がんのステージ4がわかって
亡くなるまでの日記なのです。

夫婦二人、
闘病するのは軽井沢の自宅。

時々、お見舞いに来てくれたり、
緩和ケアのドクターや看護師さんが
来てくれたり、、、

二人で暮らしていた無人島も、
やがて自分が一人
無人島に残ることになる。

夫とも離れる日がくるという
どうにもならない生と死の溝が
ていねいに、ていねいに描かれていて、
「ただ泣ける本」ではありません。

体調がいい日に行きつけのカフェに行き、
これが最後になるんだろうな・・・

と、心の中でお礼とお別れを伝えたり、

東京の病院からの帰り、
数えきれないほど乗ったこの新幹線、
これが最後になるんだろうな・・・

と残念に思ったり。

お別れの日々が
時に淡々と、
時に荒々しく書かれていて
胸に迫る。

今まで「リアリティ」っていう言葉を
なんて軽々しく使っていたんだ。。。
恥ずかしくなるほどのリアリティでした。

元編集者で、
早期退職した旦那さんとの関係が
愛情を越えた「同士」のよう。

ある日
ダイニングの椅子で
居眠りしている旦那さんを見て、
風邪をひくから起こそうとする山本さん。

でもふと、
彼が余命いくばくもない
妻がいることを忘れられるのは
寝ているときだけなんだ、、、

と思ってそっとしておくところなんてもぅ、
ダメ、、、、

それから、
緩和ケアを在宅で見てもらうことになる
クリニックの方々との
最初の面談を終えた日のこと。

「よかった。本当によかった。
私はクリニックの方々に
助けてもらうだけれはなくて、
私の経験が、
彼らや彼らがこれから出会う患者さんの役に
少しでも立ちますようにと思った。
私、うまく死ねそうです。」

と書いている。

すごいな。
山本さんの
人としての品性を見たような、
底力を見たような。

こんな凄みのある本を
私は10%OFFになる
という後押しで買うなんて。

この本はまさに
作家が命を懸けて書いた本だし、
その他の本も作家たちは
まさに命を削って書いているのだと思う。

どんな本も私は
ゴロンと横になって読んだり、
バリバリ煎餅をかじりながら
お気軽に読んでいる。

それがなんと幸せなことか。
かみしめる1冊でした。

まことに不謹慎なんですが・・・。

◇◇
カバーを開くとお猫さまが出てくる。


数年前に亡くなった、山本さんの愛猫なのかな。

この1冊を作るまでの編集者さんたちの愛が
装丁にも凝縮されてるなー
と、勝手にジーンときております。

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