こんにちは、
浜松駅前予備校(ハマヨビ)の平井です。
今日もセミの大合唱で起きました。
夏らしい日になりそうです。
さて、
夏は志望理由書対策や
小論文対策を頑張る生徒が多いので、
「書くこと」について
大きく共感した1冊をご紹介。
『目覚めよと彼の呼ぶ声がする』
石田衣良 著
かれこれ15年以上前に買った本なのだけど、
直木賞を取る前後の石田衣良さんがすごく新鮮で、
今でも時々手に取る1冊です。
なかでも、
『「ぼく」の発見』
というエッセイが
心に休息が欲しい時のたまらない清涼剤になる。
石田衣良さんの大学卒業時は超バブル期で、
就職先なんていくらでもある時代だったのだけど、
1年留年して、
しかも卒業しても意図的にフリーター暮らしをしてる。
「20代の10年位棒にふってもいい。
世の中を広く見たほうがいい」
ということをおっしゃっているくらい。
そんなイラさんの、
大学最後の3年間のことが書かれている
ドキッとするエッセイ。
当時は
アルバイト以外は本屋と図書館にでかけるだけ、
3~4週間は家族以外とは誰とも口をきかずに生活する
軽度の引きこもり状態だったという。
この時期に心理学の自己分析の方法に習って
詳細な日記をつけ始めたんだとか。
当初は自分から距離をとりたくて、
「彼」としか書けなかったのが、
2ヵ月、半年とたつうちに、
彼は「君」になり、
1年をすぎるころにはついに「ぼく」と
一人称をつかえるようになったと。
初めて
「ぼく」
と書けたとき、
自分との距離感をつかみ直したと書いていて、
あぁ、すごくわかる・・・
「彼」→「君」→「ぼく」
15年前の私も、今の私も、
こういう距離感の見つけ方、
ものすごく腑に落ちるのです。
ちなみにイラさんは、
「こうして一筋の言葉にすがって、
日々の仕事ができるのは、
やはりあのときノート数十冊をついやして、
「ぼく」を発見できたからなのだ。」
と書いている。
勇気が出るんだよなぁ。
この一篇を読むと。
このエッセイ、
生徒たちが小論文を先生に添削してもらい、
書き直しに格闘している姿とも重なる。
はじめは厳しい添削が入る生徒たちも、
何度も書き直して、
型ができ始めると文章にブレがなくなり
読み手に親切な文章を書くようになる。
読み手に親切な文章になるというのは
きっと自分にも、
親切な論理構成で
物事を考えられるような器ができていくことに
つながるのだと思う。
イラさんが、
書くことで自分との距離感をつかみ直すように、
生徒たちも、書くことに格闘しながら
自分の武器を明確にしていくのだろう。
ちょっとうらやましいな!
いいないいな!
原稿の提出を待つ編集者気分を味わいながら、
生徒たちの格闘原稿を待つ・・・
私の夏の楽しみ。